180/800現在市販されている泡盛は実に800種。単純に48社で割っても1社17銘柄の発売です。沖縄の空港に行くと泡盛の土産店があります。これも旅路の楽しみの1つで、毎回立ち寄るたびにニューフェイスが売り出されておりますことに感動してはしゃいでいます。一方、東洋の泡盛ラインナップ180種。東洋ではすべての泡盛を扱うのは流通の都合上難しい点もありますが、同じお酒の日付違いで熟成を飲みくらべるのも楽しいし、全種を揃えるなら「366日分のビン詰日」(誕生日)を重視したい気もするのでいずれはどなたの「誕生日」でもご用意出来るお店にすることを目標にしてみます。 |
少々マニアックな話ですが泡盛についての東洋の個人的な意見です…今より600年前、シャム国から伝えられた蒸留技術とその原料タイ米が、琉球王朝の地に泡盛を生みました。甕(kaami)で保管された泡盛は国宝であり、薩摩藩や諸外国との交易にも欠かせない輸出品でした。その後、江戸時代にはペリーも口にしたというこの泡盛は、時代が甕詰めからビン詰めに変わり、また新たな局面を迎えます。 テキーラや、ウイスキーの世界ではオークなどの樽で熟成していくうちにアルコール度数が数度下がる現象がおきます。欧米では「天使の分け前」とロマンチックに呼んでおりますが、これは甕で熟成する泡盛も同様に数度下がります。これは、熟成により度数が下がるのではなく通気孔となるものがあるから起こる現象です。条件に左右されますが、年間数%飲むという「酒呑天使」も悔しいでしょうが入り込めない容器が、ガラスビンです。さて、天使が飲みたいなら飲ませてあげても構いませんが、問題は天使が入り込めるから良い熟成をもたらすのであって、入り込めないガラス壜の中では熟成しないのか?という点です。答えは、「ウイスキー(×)泡盛(○)」。 さらに通気孔を持たず融け出す土の成分も無いガラス壜はその中でピュアな熟成を遂げていきます。 この「泡盛がガラス壜の中でも熟成する」という事実にしっかりと目を向けられたのは沖縄でもここ10年ほどです。それから泡盛業界に古酒表示と瓶詰日表示義務の革命が起こり、ラベルの日付を見ればどのくらい経過したかが一目瞭然となりました。こうして10年も前に買った「5年古酒」がさらに10年経っても表示は「5年古酒」などという、「裏付け出来ない」悲しい思いをする人はいなくなりました。 |
泡盛の表示改革にはまだ問題点があります。泡盛は3年熟成すると古酒(koosuu)とその名前を変える出世魚ならぬ出世酒です。それ故に「古酒」という表示は多岐に影響するものです。 おそらくは全体の生産量に関係したことからか「ブレンドされた古酒(半分以上が3年以上の古酒)」と「100%○年古酒」という2つの古酒が誕生してしまいました。ブレンド率にもよりますがこの2つでは意味合いも大きく変わります。ブレンド古酒の設定がある現時点で何かと厄介も生まれるでしょう。 そう考えると、一般酒(新酒)でも古酒でもラベルにある「詰め日」からの逆算が一番わかり易い。泡盛は焼酎と違い、タイ米に黒麹菌を生やして1度に仕込んで蒸留したあとは熟成のみ。という至ってシンプル。それだけにピュア感が素晴らしい。また泡盛も人間同様の誕生日を持つお酒です。たまたま4年前の今日とか、自分の誕生日と同じ詰め日なんてサプライズも楽しいでしょう。 やっぱり長くなってしまいましたが、これ以上は、お店かブログでまたの機会にご紹介いたします。 でも、出来ればカウンターでお話しする方がいいですね。同じお酒の感動をお客様とシェアできるのも、とても嬉しいことですから。 |
9島47の酒造所 |
沖縄とひとえに言っても沖縄は広い。那覇にある沖縄県庁を中心として、東へ350kmに南・北大東島、西へ430kmにはあの尖閣諸島、そして500km南西には国境の島、与那国島があります。
大小合わせ113の島があり、うち有人島数は26。地理の勉強はコレくらいにしましょう。この有人島のうち9島に泡盛の酒造所が点在しております。ここからは各島の泡盛を北からご紹介していきます。 |
表記について |
●7年古酒→「7年熟成した酒100%」‥これはまぎれもない古酒。 ●古酒→「3年以上の熟成酒が51%」‥‥古酒に新酒や3年未満の酒ブレンドされている。 ●_年古酒→「ビン詰めの日付けで逆算」‥上記の古酒も表示年数にこの逆算年数(ビン内熟成)がプラスされる。 |
●伊平屋島 [いへやじま] |
01.伊平屋酒造所 [いへやしゅぞうじょ] | ▼取扱銘柄 |
地理的には鹿児島県の与論島を西に50km。沖縄県最北端の島になります。ここでは「伊平屋酒造所」が1島1酒の島酒を醸しています。 代表銘柄は「照島」。琉球版「天の岩戸」伝説に因んだ銘柄だとか。。。その他は沖縄の特産品と同じ「芭蕉布」を最上位とし、「たつ浪」、「平松ロック」があります。 |
芭蕉布 [35%] 7年古酒 芭蕉布 [30%] 5年古酒 たつ波 [43%] 3年古酒 照 島 [30%] 一般酒 平松ロック [20%] 古酒 |
●伊是名島 [いぜなじま] |
02.伊是名酒造所 [いぜなしゅぞうじょ] | ▼取扱銘柄 |
伊平屋島の南5kmにある島で、琉球王朝を統一した尚巴志王のNo.2となり後に第二尚氏の王まで登り詰めた「尚円王」の故郷。 代表銘柄は「常盤」。ジョウバンと読んでしまうのは関東住まいのサガだが「ときわ」である。そのほか、尚円王の幼名だった「金丸」を最上位に、伊是名島などがあります。 |
金 丸 [35%] 10年古酒 常 盤 [40%] 5年古酒 伊是名島 [30%] 5年古酒 常 盤 [30%] 一般酒 いぜな島 [20%] 一般酒 |
●沖縄島・北部[おきなわじま・ほくぶ] 9酒造所 |
03.田嘉里酒造所 [たかざとしゅぞうじょ] | ▼取扱銘柄 |
ヤンバルクイナの住む山原(やんばる)で操業する本島最北端の酒造所。シークヮサーと泡盛の効果からか長寿の里としても知られる大宜味村(美ら海水族館からはまだまだ遠い)にある。 代表銘柄は「まるた」。今では「山原くいな」シリーズがラインナップが豊富。 |
くいなゴールド [43%] 5年古酒 くいなシルバー [40%] 5年古酒 まるた3年古酒 [30%] 3年古酒 山原くいな古酒 [30%] 3年古酒 まるた [30%] 一般酒 |
04.今帰仁酒造 [なきじんしゅぞう] | ▼取扱銘柄 |
今帰仁城跡から東に6kmほどののどかな里にある大型貯蔵タンクが立ち並ぶ大きな酒造所。代表銘柄は「まるだい」。その他「美しき古里」がシリーズ化され、樽熟成「千年の響」(甕熟成も発売)、甕熟成に「夢幻の宴」などがある。 |
今帰仁城十年古酒 [43%] 10年古酒 千年の響7年古酒 [40%] 7年古酒 美しき古里 古酒 [30%] 古酒 まるだい [30%] 一般酒 |
05.山川酒造 [やまかわしゅぞう] | ▼取扱銘柄 |
美ら海水族館から南東へ5kmほどのところにある山川酒造。2004年の年数表示改正前から、表示年数より熟成させた泡盛を詰めたり、ラベルの内側に詰め日を捺印したりと、古酒への強いこだわりを信念にしてきた酒造所です。「古酒のやまかわ」と言われる由縁はここにある。代表銘柄は「珊瑚礁」。ほか15年以上の古酒「やまかわ」、「かねやま」など。 |
珊瑚礁1998 [42%] 年古酒 珊瑚礁十年古酒 [43%] 10年古酒 珊瑚礁5年古酒 [43%] 5年古酒 さくらいちばん [25%] 5年古酒 かねやま [30%] 一般酒 |
06.龍泉酒造 [りゅうせんしゅぞう] | ▼取扱銘柄 |
沖縄で有名な国道58号線を北上し名護から山原に向かって羽地内海に面した場所にある酒造所。香りは高く味わいは深い。無濾過の泡盛もリリース。代表銘柄「龍泉」を筆頭に「羽地内海」、「龍泉かめ貯蔵古酒」など。古酒のラインナップはほとんどないが、(ないからこそ)ビンで熟成させ、深い味わいにまろやかさを持たせるのが私の楽しみ。 |
龍泉2012 [43%] 年古酒 かめ貯蔵古酒 [25%] 古酒 双子龍 [25%] 古酒 羽地内海 [30%] 一般酒 |
07.津嘉山酒造 [つかやましゅぞう] | ▼取扱銘柄 |
戦火を逃れた木造建築(昭和2年)としては沖縄最大級であり、建築物と泡盛文化の両方からしても貴重であることから有形登録文化財に指定されている酒造所。 代表銘柄は「國華」。生産量はきわめて少ないが、古酒もリリース。沖縄高専の生物資源工学科の生徒(5年生ね。でも未成年だが...)が手掛けた「香仙」という泡盛もある。 |
国華古酒 [41%] 年古酒 国華 [43%] 一般酒 国華 [30%] 一般酒 国華 [25%] 一般酒 |
08.ヘリオス酒造 [へりおすしゅぞう] | ▼取扱銘柄 |
日本最南端の高速道路「沖縄自動車道」許田I.Cの近く、閑静な住宅地の奥に佇むヘリオス酒造は5つの酒造免許を持ち、ラムに始まり泡盛、ワイン、ビール・発泡酒、リキュールも造る。近年は芋焼酎も。 代表銘柄は「主」。樽熟成の「くら」、一般酒に「轟」がある。 余談ですが付近で見た荘厳な亀甲墓がキョ―レツに記憶に残っている。(なんせブラックジャックでしか見たことなかったから。)主を飲むと思い出す「宝島」。飲みながら読みたい。 |
名水十年古酒 [37%] 年古酒 主5年古酒 [43%] 5年古酒 主5年古酒 [30%] 古酒 琉球美人 [25%] 一般酒 くら [25%] 古酒 |
09.恩納酒造所 [おんなしゅぞうじょ] | ▼取扱銘柄 |
沖縄の景勝地として名高い万座毛の手前にある酒造所。「萬座」は昭和基地に送られたことがあるとかないとか。。しかしググった結果、琉球大理学部の教授が隊長を務められた経緯があるで本当っぽい。おそらく南極の氷を浮かべたグラスを片手に、東シナ海に沈む夕日を思い出して飲まれたんでしょうかね。そんな望郷の味わいは、古酒感がじんわりと広がる濃厚な風味。代表銘柄は「萬座」。同名のラインナップも多い。 |
萬座古酒 [40%] 古酒 萬座十年 [25%] 年古酒 NAVI [20%] 古酒 萬座 [30%] 一般酒 玉那覇 [25%] 一般酒 |
10.崎山酒造廠 [さきやましゅぞうしょう] | ▼取扱銘柄 |
琉球王国時代に王府から泡盛の製造を許可された、首里の赤田で創業した名門です。昭和21年に現在の金武町(きんちょう)に移転。崎山の酒ならではの独特な味わいは、ゆっくりと時間をかけて育てた黒麹菌の個性とその主張を打ち消さぬように、抑えめに濾過されたことで生まれてくるもの。と書いたところで、飲んで戴かないと伝わらないものですが、飲むなら割らない方がいい。 代表銘柄は「松藤」。ちなみに社名の「廠」は官営を意味するらしい。 |
松藤古酒 [30%] 年古酒 松藤 [30%] 一般酒 南ぬ島 [20%] 一般酒 |
11.金武酒造 [きんしゅぞう] | ▼取扱銘柄 |
龍でお馴染みの金武酒造。炊きたてのお米のような香りと柔らかい口当たりでビギナーにもウケがいい。鍾乳洞で泡盛を熟成させた第一人者でもある。残念ながら電話では面識あるものの(面識と言わない?)実際に
お伺いしてないのが残念。いつの日か。。。 代表銘柄は「龍」。※皆さん「りゅう」と読みがちですが「たつ」です。 |
龍1988 [40%] 年古酒 龍3年古酒 [43%] 年古酒 龍 [30%] 一般酒 龍 [20%] 一般酒 |
●沖縄島・中部[おきなわじま・ちゅうぶ] 4酒造所 |
12.神村酒造 [かみむらしゅぞう] | ▼取扱銘柄 |
1968年から樽熟成に着手した黄金色の泡盛のパイオニア、神村酒造。そのお酒は「暖流」と名付けられ、ウイスキーなどが好きな人にもそのスモーキーなテイストがウケてます。 代表銘柄は「守禮」と「暖流」。近年はバニラとマツタケの香気が漂う「芳醇浪漫」も発売。 |
守禮5年古酒 [43%] 年古酒 芳醇浪漫 [35%] 古酒 暖流古酒 [40%] 古酒 暖流古酒 [30%] 古酒 マイスター [35%] 年古酒 |
13.比嘉酒造 [ひがしゅぞう] | ▼取扱銘柄 |
淡麗系泡盛の火付け役「残波」でお馴染みの比嘉酒造。実際店頭でも「残波の白」をご指名されることが多い。熟成がまろやかな口当たりを生むのは泡盛共通のセオリーだが、新酒でもその雰囲気が味わえるのは嬉しいことかも。。。 代表銘柄は「残波」。 |
残波・古酒 [43%] 古酒 プレミアム [30%] 3年古酒 残波・くろ [30%] 一般酒 残波・しろ [25%] 一般酒 |
13.新里酒造 [しんざとしゅぞう] | ▼取扱銘柄 |
1846年創業の新里酒造。現存する酒造所では最も古い。現在ではほぼすべての酒造所が使用する泡なし酵母101の生みの親。何が画期的であるかはここでは話しませんが、それよりも何よりもアキソルの唄をCMに起用したのが最高です。 代表銘柄は「琉球」と「かりゆし」。近年はバニラとマツタケの香気が漂う「芳醇浪漫」も発売。 |
守禮5年古酒 [43%] 年古酒 芳醇浪漫 [35%] 古酒 暖流古酒 [40%] 古酒 暖流古酒 [30%] 古酒 マイスター [35%] 年古酒 |
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