改修工事をした現在の北小学校

北小学校は 大規模校では関東で唯一の木造校舎といわれています。
木のぬくもりの中での学校生活。恵まれた環境で 子供たちはのびのびと育っています。
以下の文章ならびに 写真は芦澤明子先生の写真集「木造校舎の思い出 関東編」および CD-ROM「木造校舎」よりお借りしました。

昭和10年築。
鹿沼市は日光東照宮を作った大工たちが移り住んだといわれる木工の町、職人の町である。
昭和初め「日本一の学校をつくろう」という地元の意気込みは並大抵ではなかった。資材の吟味が厳しく、持ち込んだ材木の2〜3割しか納入を認めてもらえないありさまで、業者からは「鹿沼の泣き学校」という異名をつけられた。
何万人もの子供たちが駆け抜けていった正面玄関の階段。良質の松材が使われ、幅3.6メートルもあり、途中の踊り場で左右に分かれている。元は礼儀作法を教えるための特別室であった「お話しの部屋」の座り机も築年当時のものだった。50余年が過ぎ、この校舎のこれからが議論されたとき、地元の人たちは「当時の人々の熱い思いが刻まれた校舎をなんとか残したい」と要望し、それを行政も受けて総工費6億円で改修工事を行ない、後世にこの校舎を伝えることになった。木造にこだわった工事だった。子供たちは暮らしの一部として雑巾掛けや床磨きをして校舎をいつくしんでいる。まれにみる幸せな校舎だ。

※写真および文章の使用に関し 快諾くださいました芦澤先生に 心より御礼申し上げます。