鰯売恋曳網

(いわしうりこいのひきあみ)


配役/ 傾城蛍火(ほたるび)、実は丹鶴城の姫(坂東玉三郎)
    鰯売りの猿源氏(さるげんじ)(中村勘三郎)





あらすじ

鰯売りの猿源氏は遊女である蛍火にほれてしまった☆
どっこい蛍火は大名クラスしか相手にしない
格式高い遊女。「そんなん、むりだよ…」と気弱な猿源氏。

しかし、猿源氏のおとっつぁん、海老名のなぁみだぶつという人が
「じゃぁ大名に変装して蛍火に近づこう!」と発案。
さっそく大名のカッコをして乗り込むものの
もともと鰯売りだから大名の振る舞いが分からないし
蛍火のきれいさにめろめろだし、果てにはうっかり鰯売りの呼び声を言っちゃう始末。
この悪戦苦闘する猿源氏がすごくかわいい。ため息ついたり手が震えたり。


しかも結局鰯売りだって正体がばれてしまう。
しかーし!!実は蛍火も鰯売りの声に恋していたのでござる。
しかも蛍火はあるお城のお姫様だった!
最後は二人して手をつないで花道を仲良く歩いていきます。





見所は恋に奥手な猿源氏(勘三郎さん)です!!!



「伊勢の国の、あこぎが浦の猿源氏が〜鰯こえぇ〜〜…
はぁ




こんな呼び声では鰯が腐る!!!とおとっつぁんに
怒られるしまつ。




何があったのかを聞かれ、ため息混じりに蛍火の事を話します。
おとっつぁんその話を聞いてびっくり☆息子が恋わずらいとは!
この海老名のなぁみだぶつが恋の手ほどきをしてやる!と俄然やる気。


かくして一行は大名に変装して蛍火のいる屋敷に向かいます。

蛍火が出てくる前に他の遊女たちがでてくるんだけど
皆とにかくきれい!!演じているのが全員男性だなんて思えない


そして


ついに・・・


蛍火登場!!


ん大和屋――――ァ!!!



演じている方が、現在の女形最高峰(だと私は思ってます)の坂東玉三郎さん。
たたたたた、玉さんきれい――!!
きれいだしかわいいし。猿源氏が惚れるのも無理はない。
しかも手の動きや体の線がすごくしなやかで美しい。



もう蛍火の姿を見てしまった猿源氏は意識が飛ぶほど。
手はがたがた震えるし意識はもうろうとするし。



しかし男☆猿源氏、なんとか蛍火にいいところを見せたい。
「殿様の戦話をききましょう」と盛り上がる遊女達に
なんとか戦話をでっち上げます。(出てくる武将の名前はたこの入道とか
鯛の赤助とか、鰯売りの知識をフル活用しつつ)


一生懸命はなす猿源氏がとてもかわいい。



そのあとうっかり寝てしまって、寝言で鰯売りの呼び声を言ってしまいます。

!? ・・・ ?? 蛍火は目をぱちくり。(ここがまたすごくかわいい)

猿源氏を起こして、今の寝言は何だったのか聞きます。
さて猿源氏、あわわわわどうしよう!!
うまい具合に話をはぐらかします。

しかしまたもや寝言を言ってしまう。
蛍火いわく、「なにやら鰯くさくなってきたような・・・」

またもや問いただしますが猿源氏はまた話をはぐらかします。

それを聞いた蛍火、「鰯売りではなかったか〜・・・」とおいおいと泣き出す始末。

えぇえええ!???

どうしてそなたが泣くの?と聞くと、

蛍火はどうやら鰯売りの声に恋をしていた様子。
鰯売りではないのならいっそここで死なせて!と取り乱しますが
猿源氏パパがあわてて止めに入ります。そこで本当の事を打ち明けます。


そこへ役人(たぶん城の役人だと思う)が来て、ここに姫が?みたいな展開に。
丹鶴城の姫だと判明しましたが蛍火は猿源氏と夫婦で鰯売りを
することを選びます。たまに実家に売りに行くから、鰯売りの声が聞こえたら
父上、母上、城内から顔を見せてくださいと言伝をし、
猿源氏と手をつないで花道を行きます。

ここで手をつなぐんだけど二人とも照れちゃってすごくかわいい〜!
ほんわかします。この二人を見ていると。





両思いになってめでたしめでたし☆

この話の原作は三島由紀夫さんなのですよー。
勘三郎さんの襲名興行のときにやっていた演目なので
配役も凄く豪華☆勘太郎さんの遊女姿もきれいでした!
実際見たのではなくてテレビで見たんですけどね☆
今まで見た歌舞伎の中で、一番可愛い内容でだいすきな演目です!