サーマル・ソアリング

モーターは、サーマルをつかみやすい高度まで機体を上昇させる手段であって、本当の楽しみは、モーターを停止させてからのサーマル・ソアリングにあります。サーマルを上手くつかめば、1分程度のモーター・ランで30分〜1時間以上にもわたってソアリングを楽しむこともできます。
ハンドランチ・グライダーの対象となる地表近くのサーマルよりも上空のサーマルは強烈で範囲も広いため、気象条件の良い日であれば、初級者でも意外と簡単にサーマル・ソアリングを楽しむことができます。
★ サーマルとは・・・???
地表の温度分布の変化等により発生する上昇気流のことで、次のような特徴があります。
- 日差しの強い、晴れの日に発生しやすい。
- 特に、雨上がりの晴天日には強いサーマルが発生する。
- 晴天日でも、雲で太陽が隠れている時は、一時的にコンディションは低下する。
- 地表の温度が変化しやすい午前中
または、午後から夕刻にかけて発生する確率が高い。
- 季節的には、春、秋、がコンディションが良く、地表全体が強烈に熱せられる夏はコンディションはあまり良くない。
- サーマルは、風とともに風下へ移動する。(よって、風の強い日はサーマルがあっても、グライダーで追いかけることが出来ないため、サーマル・ソアリングには不向き)
★ モーター・グライダーの飛行パターン
一般的に、次のようなパターンで飛行を楽しみます。
- モーターを回して機体を上昇させる。
- 上空でモーターを止め、ソアリング(滑空)しながらサーマルを探す。
- サーマルを見つけたら、サーマルを逃がさないようサーマルの中で旋回を続け、更に高度を獲得
または 高度を維持する。
- サーマルがなくなったら、別のサーマルを探しに行く。
- サーマルがなく、機体の高度が下がってきたら、再度モーターを回して上空に向かい、再度サーマル・ハンティングを行う。
★ サーマル・ソアリング の 方法
ソアリング中にサーマルに遭遇すると、機体は色々な動きを見せます。サーマルは目には見えませんが、機体の動きにより、その存在を知ることが出来ます。
- 機体全体がサーマル内に入ると、機体全体が持ち上げられ、上空に吸い込まれるように上昇してゆきます。
- 片翼がサーマルをかすめると、A or B のように機体がグラッと傾きます(または、ピクピクッと機体が揺れる)。この場合、
機体が傾いた逆方向にサーマルがありますから、直ちにサーマルのある方向に機体を移動させます。
- サーマルに入ったら、サーマル内を小さく旋回(センタリングといいます)させて
機体を上昇させてゆきます。(図中〜C)
- サーマルは、風とともに移動していますから、サーマルを逃さないようセンタリングしながら、風下に機体を流してゆきます。あまり風下にもってゆくと、回収不能になることがありますから、適当なところで、そのサーマルはあきらめ、風上の新たなサーマルを探しに行きます。
★ 機体の姿勢等から気流の状態を判断する!
機体の姿勢、飛行速度から気流の状態を知ることができます。
一般的に
- 上昇気流の中では、機体は機首を下げた姿勢で機速があります。
- 下降気流の中では、機首を上げた姿勢で機速がなくなります。

また、何回やってもサーマルがつかめない場合、その場所全体が下降気流に入ってる場合がありますから、飛行場所を変えてみることも必要です。
河川敷等の場合、土手の内側全体が下降気流で、土手の外側が上昇気流ということが良くあります。ただし、土手の外側を飛行させることが危険な場所(人家等がある場合)には、コンディションが良いからといって上空を飛行させることは絶対にしないで下さい。
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